- 会員登録の設定方法は?
- お客様アカウントの種類って何?
- やっぱりお客様アカウントは作ってもらった方がよいの?
- 会員登録してもらうにはどうしたらよい?
Shopifyはネットショップに会員登録やマイページを作れる機能が標準で装備されています。
操作自体は難しくないのですが、設定項目が何を意味しているのか、わかりづらい部分もあります。
本記事では、基本的な会員登録機能の説 明とその設定手順について解説します。
「従来のお客様アカウント」と「新しいお客様アカウント」
Shopifyでは「従来のお客様アカウント」と「新しいお客様アカウント」の2種類を利用できます。
新しいお客様アカウントは、マイページからの返品手続き、B2B対応(Shopify Plus)などができるようになったり、ログイン方法が変更されてセキュリティも強化されました。
反面、Liquid(Shopifyのプログラム言語)による編集ができなかったり、アプリのサポートが限定されているなど、カスタマイズに制限があります。
いずれは「新しいお客様アカウント」の機能が強化されていくことが予想されますが、現状どちらを使うかはケースバイケースです。
なお、アカウント方式はどちらにも切り替えることができます。
機能 | 従来のお客様アカウント | 新しいお客様アカウント |
---|---|---|
ログインの手順 | メールとパスワード Shop Payによるログイン | メール宛てのワンタイムコード認証 Shop Payによるログイン |
アカウントの作成 | ログインページから新規作成 招待の受諾 | メールアドレスでログインすると自動作成 |
アカウント名の変更 | – ※配送先の名前のみ編集可 | ◯ |
ブランディング | テーマエディタ → テーマ設定 | 設定 → チェックアウト |
サポートアプリ | ◯ | 今後対応予定 |
Liquidのカスタマイズ | ◯ | – |
注文履歴とステータス | ◯ | ◯ |
住所の保存 | ◯ | ◯ |
決済方法の保存 | – | ◯ |
B2B対応 | – | ◯ |
セルフサービス返品 | – | ◯ |
マルチパス対応 | ◯ | – |
サポートの再依頼 | – | ◯ |
ショップで会員登録をできるように設定する
[設定]→[お客様アカウント]画面に移動し、[オンラインストアとチェックアウトのアカウント]欄の[編集]をクリックします。
[オンラインストアのヘッダーとチェックアウト時にログインリンクを表示する]にチェックを入れます。
[使用するお客様アカウントのバージョン選択する]が表示されるので、[新しいお客様アカウント]または[従来のお客様アカウント]のいずれかを選択。
一旦[保存]をクリックします。
新しいお客様アカウントの設定手順
必要に応じて新しいお客様アカウント機能と関連のある設定を行います。
[セルフサービス返品]を[オン]にすると、会員のマイページからユーザーが自分で返品手続きを行えるようになります。
[URL]は会員ログイン画面のURLです。
任意の箇所に会員ログインページへのリンクを追加したい時など、このURLをコピーして利用できます。
[ブランディング]→[チェックアウトをカスタマイズ]をクリックするとテーマエディタが開き、[テーマ設定]の[チェックアウト]設定パネルが表示されます。
ロゴ画像や背景画像を設定したり、配色、フォント、レイアウトなどの設定を行います。
「テーマ設定」やデザインカスタマイズのコツを知りたい方は以下の記事を参考にしてください。
従来のお客様アカウントの設定手順
[URL]は会員ログイン画面のURLです。
[Shopにログインする]はShopifyペイメントのShop Payが有効になっている時に利用できます。
Shopは、世界中のShopifyのストアに共通で利用できるアカウント情報や決済機能です。
[マルチパス]はShopify Plusプランのみで使える機能で、Shopifyのストアと別のサイトをまたいでログインできる機能です。
[ブランディング]→[テーマをカスタマイズ]をクリックすると、テーマエディタのログインページのカスタマイズ画面に移動します。
このように、[新しいお客様アカウント]とはブランド・カスタマイズを行う場所が異なります。
テーマエディタの使い方やテーマカスタマイズの基礎理解については以下の記事で詳しく解説しています。
会員登録を必須にする
会員登録をしないとショップで購入できないようにすることができます。
[設定]→[チェックアウト]へ画面を開き、[お客様への連絡方法]欄の[チェックアウト前にお客様にアカウントへのログインを要求する]にチェックを入れます。
お客様アカウントの作成手順を理解する
ユーザーの会員登録の操作手順を把握しておきましょう。
新しいお客様アカウントの作成手順
ログインページにアクセスし、メールアドレスを入力して[続行]をクリック。
メールアドレスに認証コードを記載したメールが届くので、その番号を入力して[送信]します。
アカウントのマイページが表示されます。[セルフサービス返品]機能をオンにしていると、返品のリクエストを行うことができます。
[注文]をクリックすると、注文の詳細画面が表示されます。
アカウントメニュー(画像例の[鈴木]箇所)から[プロフィール]をクリックすると、アカウント情報を編集できます。
従来のお客様アカウントの作成手順
ログインページにアクセスし、[アカウント作成する]をクリックします。
名前とメールアドレス、パスワードを入力して[作成する]をクリックします。
確認メールが届くので、メール内の[アカウントを有効にする]をクリックします。
マイページが表示されます。注文をクリックすすると詳細を確認できます。
「従来のお客様アカウント」の場合、デフォルトでは、会員自身が自分の名前を変更することはできません。(配送先は変更可)
会員登録をしてもらうメリット
ショップとしてユーザーに会員登録をしてもらうメリットはたくさんあります。
顧客データの収集・分析
顧客の情報(名前、メールアドレス、住所など)やその属性を知ることができます。
Shopifyでは顧客管理機能でセグメント(グループ分け)も簡単に行えるので、アイデア次第で様々にデータを活用・分析できます。
会員向け販促活動に活かせる
会員登録をすると言う事は、そのショップに少なからず興味があったり、一定の信頼を寄せているとも考えられます。
顧客ロイヤリティを高める会員向けの様々な販促活動は、ネットショップにおいて最重要な活動の一つと言っていいでしょう。
Shopifyはマーケティング機能も充実しているので、積極的にリピート施策を行いたいところです。
カスタマーサポートの向上
会員情報や購入履歴を管理しておくことで、より的確なカスタマーサポートを提供できます。
サポートの対応次第で、顧客をファンにすることもできれば、顧客離れにも繋がります。
顧客からの問い合わせ対応はさることながら、購入者へのアフターフォローや情報提供もCSの一つと考えることができるでしょう。
会員登録してもらうデメリット
会員登録をしてもらうことはメリットが上回るものの、デメリットが無いわけではありません。
購入のハードルが上がる
会員登録を求めることで、購入を断念される可能性もあります。
特に、会員登録を必須にすると、心理的なハードルが高くなります。
会員登録をしても良いと思える理由や動機付けをし、ユーザーの背中を押すことが大切です。
離脱率が増加する
会員登録時に入力を求める情報や項目が多すぎると、面倒になって途中で離脱してしまう可能性があります。
必要最低限の情報のみ入力してもらうようにすると同時に、簡単に会員登録ができることを事前にアナウンスしておきましょう。
個人情報の管理が必要になる
顧客の個人情報を適切に保護するには、高度なセキュリティ対策が求められます。
Shopifyはセキュリティの高いサーバーシステムを採用していますが、ショップ側も顧客情報を預かっている意識を持ち、情報流出や悪用が起きないよう必要に応じて体制を整えましょう。
会員登録をしてもらうためのアイデア
会員登録をしてもらうには会員登録のデメリットを潰し、さらには登録すること自体にメリットを感じてもらえばよいわけですね。
お客様アカウント作成の特典を提供する
会員登録するだけで特典をもらえる、定番の施策ですがやはり効果はあります。
初回購入時に使える割引クーポンなど、初めての買い物を後押しできる内容の特典がおすすめです。
Shopifyで会員登録と同時にクーポンを発行する方法については別記事で解説しているのでぜひ挑戦してみてください。
会員限定の特典やサービスを提供する
会員に登録してもらうことと同じくらい、会員でいてもらうことは重要です。
そこで、会員限定の特典やサービスを提供します。
例えば、会員だけが購入できる限定商品の販売、新商品の先行販売を会員限定で行うなど。
また、会員ランクを設けたり、ポイントプログラムを導入するなど、高度なサービスもアプリを使って実装できます。
会員登録がかんたんでリスクが少ないことを明示する
前述した通り、必要最低限の情報だけを求めるシンプルな登録フォームにします。
そして、会員登録で求める情報は少ないこと、あるいは操作が簡単であることを伝えます。
会員登録の取り扱いについては、プライバシーポリシーや利用規約等に記載しましょう。
それらのポリシーはサイトのフッターなどから、すぐにアクセスできるようにしておくとよいでしょう。
会員登録をお願いする
プリミティブだけど効果があること、それは会員登録をお願いすることです。
会員登録できること、会員登録すると特典をもらえること、会員登録は簡単ですぐに完了することなど、会員登録のメリットを提示しつつ、会員登録してほしいことを伝えるのです。
例えば、ユーザーがサイトにアクセスしてから一定時間経過後や特定のページに到達時にポップアップを表示する、あるいは、目につきやすい場所にバナーやテキストを表示します。
やり過ぎると敬遠されますが、控え過ぎてもそれはそれで機会損失にもなり得ます。
サイトのデザインやコンテンツとのバランスを図りながら堂々とアピールしましょう。
まとめ
- 「従来のお客様アカウント」と「新しいお客様アカウント」の二種類がある
- アカウントの種類は切り替えできる
- 会員登録を必須にすることができる
- ネットショップにおいて会員登録のメリットはそのデメリットを上回る
- クーポンを発行するなど会員登録してもらえるよう工夫する
ネットショップにおいて会員登録をしてもらうことは、売上アップにとても重要です。
もし何かしらの理由ですぐに導入できない状況だったとしても、いずれは会員機能を利用することを検討してみてください。
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